節税
損する節税・得する節税とは【あなたの会社は大丈夫?】
節税に興味がある人
「当期は利益が出そうなんだけど、税金払いたくないなぁ…。税理士に聞いても保険ばかり勧めてくるし…。どうせなら会社にとってプラスになる節税がしたい!良い節税方法を教えてください。」
このようなお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、間違った節税で損をすることがなくなり、「賢い節税」ができるようになります。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
もし、あなたが「本気で会社を強くしたい!」とお考えなら…お気軽に無料相談をご利用ください。
きっと、あなたのお悩みを解決するためのヒントが手に入ります。
情報に振り回されるな
税金を減らせるなら、できるだけ節税したい!そりゃ、そうですよね…。
巷では、節税に関する情報が溢れかえっています。「節税 = 税金を減らす」という意味では、どの方法も正解なのだと思います。
でも、その方法が「会社にとってプラスになるかどうか」という意味でいうなら、間違った情報が多く見受けられます。
節税するなら、会社にとってプラスになる節税をしましょう。そのためにも、巷の情報に振り回されずに、賢い節税の考え方を身に付ける必要があります。
それでは、さっそく見ていきましょう。
こんな節税は絶対にやっちゃダメ!損する節税
損する節税のパターンは、下記のとおり。
- 損する節税①:経費といいながらの浪費
- 損する節税②:節税だけが目的の保険契約
- 損する節税③:税制に振り回された節税
損する節税①:経費といいながらの浪費
経費を増やせば、利益は減ります。利益が減れば、税金を減らせます。
それだけのために、接待という名の飲食代に浪費したり、特に必要のない物品を購入したりするのは、ただの無駄でしかありません。
節税をして得した気分になっているのかもしれませんが、実際は大損ですよ…。
例えば、税金の税率を30%とした場合、1,000の経費を使えば300の税金(1,000 × 30%)を減らすことができます。でも、300の税金を減らすために1,000のお金を使っています。節税した金額以上に700のお金が無くなってしまいました…。ご愁傷様です…。
浪費は、節税ではありません。ただお金を垂れ流しているだけです。
損する節税②:節税だけが目的の保険契約
節税のためだけに入る保険もまた、無駄でしかありません。
「経費の浪費とは違って、保険に入りながら節税もできて、解約返戻金もあるからお得!」
と考えている人も多くいますが、何も得なことはありません。
当たり前ですが、保険会社も利益を得ています。保険シミュレーションの「数字マジック」で得をしているように見せているだけです。冷静に考えればわかるのですが、本当に得なら保険会社は全て倒産してますから。
でも、誤解のないように補足しますが、保険そのものを否定しているわけではありません。リスクヘッジとしての保険は絶対に必要です。
社長にもしものことがあった場合、会社は大きなダメージを受けます。売上も大きく落ちるかもしれません。そこで役員保険に入っていれば、体制を整えるまでの期間を保険金で耐え忍ぶことができます。
個人情報の漏洩リスクに備えるための損害保険や工場の火災保険なども同じです。もしものことがあった場合に会社が倒産してしまうようなリスクについては、保険で備えておかなければなりません。これらは、節税ではなく会社存続のための必要経費です。
ここで言いたいのは、リスクヘッジのための保険にきちんと入っているのに、さらに節税目的だけで契約する保険のことです。
節税保険は、保険会社に寄付をしているようなもので、あなたの会社にとっては何らプラスにはなっていませんよ…。
損する節税③:税制に振り回された節税
◯◯償却や◯◯特例みたいな感じで、投資を促すような税制がたくさんあります。
あなたの会社がこれからのために投資をする必要があるなら、こういった税制を大いに利用すれば良いと思います。
でも、逆の考え方は“ダメ“です。「◯◯特例で税金が安くなるなら買っておこう」みたいな。
例えば、エコカー減税。営業車を買い替える必要があって、結果としてエコカー減税が受けられるのであれば全然OK。でも、まだ買い替える時期ではないけど、エコカー減税があるうちに買い替えよう!と考えるのは…本当に得なのかどうか疑問です…。
税制は利用するものであって、絶対に振り回されてはいけません。
数字がわかる社長はみんなやってる!得する節税
得する節税のパターンは、下記のとおり。
- 得する節税①:会社を維持するための経費
- 得する節税②:お金を使わない節税
- 得する節税③:会社の未来のための費用・投資
得する節税①:会社を維持するための経費
無駄な経費は、本当に無駄でしかありません。徹底的にカットしましょう。
でも、会社を維持するための経費は、ヘタに削ってはいけません。必要な経費は積極的に使って、一部を税金で取り返すくらいの考え方で良いと思います。
必要な経費は、会社にとってのエネルギーです。エネルギーが減れば、会社は間違いなく弱っていきます。あなたの会社を成長させるためにも、必要な経費はしっかり使っていきましょう。(無駄な経費はダメですよ)
当たり前のことなのですが、これも立派な得する節税の考え方です。
得する節税②:お金を使わない節税
貸借対照表に「ゴミ」は溜まってませんか?
「ゴミ」というと失礼に聞こえるかもしれまんが、本当にゴミなので敢えて書いています。
例えば、こんなのがゴミの代表例です。
- もはや回収できそうにない売掛金などの債権
- どう考えても売れない在庫
- 固定資産台帳に載ってるけど、すでに廃棄した固定資産
- お金が返ってこない仮払金や立替金など
- その他、実際には存在しない資産
このゴミは、本来であれば既に損失処理をしているはずなのですが、いまだに損失処理されずに貸借対照表に残っているものです。つまり、過去の申告で払う必要のない税金を払っていたということです。
ですから、貸借対照表からゴミを掃除して、払う必要のなかった税金を取り返しましょう。これは、お金を使わないので、ヘタな節税を考える前に必ずやってください。
(損失処理をするタイミングを誤ると税金で取り返せない場合もありますので、ゴミはその都度キレイに掃除するようにしてくださいね。)
得する節税③:会社の未来のための費用・投資
これこそが「節税の王道」ではないでしょうか。
会社は、良いときもあれば悪いときも必ずあります。だから、いまだけでなく、未来のことを考えたお金の使い方をしていかなければなりません。
例えば、こんな費用や投資です。
- 会社のことを知ってもらうための広告宣伝費
- 人材を育てていくための教育研修費
- より良い製品やサービスの研究開発費
- 新しく店舗を出店するための設備投資
- 効率化・経費削減のためのシステム投資 など
こういった「未来のための費用や投資」にお金を使って会社を成長させ、その費用・投資の一部を税金で取り返す。これこそが「節税の王道」であり、賢い節税の考え方なのです。
(費用対効果は、しっかりと検証してくださいね。)
目先の節税ばかりに気を取られて、これからの未来のことを何も考えないでいると…節税どころではない未来がやってくるかもしれませんよ。
節税を考える前にやるべきこと
あなたは、会社をどんなふうにしたいのですか?
もし「会社を成長させたい!」と望んでいるなら、節税ありきの考え方はすぐにやめましょう。
節税に関心のある人は、税金を抑えてお金を残そうと考えていると思います。でも、これまで見てきたとおり、損する節税をしてしまうと、お金を残すどころか余計にお金が無くなってしまいます。
節税は手段であって、「会社を成長させたい!」という本来の目的の邪魔になってはいけないのです。
あなたが本気で会社を成長させたいと考えているなら、
「汗水流して働いて稼いだお金を、なぜ税務署に持っていかれるのか?」
といった感情を克服してください。
これが、あなたの会社が中小零細企業から抜け出し、次のステージに行くための大事な発想なのです。
あなたがやるべきことは、節税ではありません。会社を成長させることです。
このことを忘れないでください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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