融資・資金繰り
無借金経営の危険な5つのデメリット【目指すべきは実質無借金経営】
無借金経営を目指したい会社
「自分の会社も無借金経営を目指したい!でも、無借金経営にもデメリットってあるのかなぁ?その辺りのことを詳しく教えてください。」
こういったお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、無借金経営についてのデメリットが理解でき、銀行融資に対する考え方が変わると思います。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
もし、あなたが「本気で会社を強くしたい!」とお考えなら…お気軽に無料相談をご利用ください。
きっと、あなたのお悩みを解決するためのヒントが手に入ります。
無借金経営の危険な5つのデメリット
「無借金経営を目指したい!」
その気持ち、わからなくはありません。借金がなければ身軽だし、利息も払わなくていい。苦手な銀行と付き合っていく必要もないわけですから。
でも…
無借金経営は、実は「危険」がいっぱいです。
その理由は、無借金経営のデメリットによる悪影響が大きいからです。
無借金経営がもたらすデメリットとは、どういったものでしょうか?順を追って見ていきましょう。
- デメリット①:いざという時に融資が受けにくい
- デメリット②:資金繰り不安の恐怖に悩まされる
- デメリット③:ビジネスチャンスに対応できない
- デメリット④:会社の成長スピードが鈍くなる
- デメリット⑤:倒産リスクが高まる
デメリット①:いざという時に融資が受けにくい
会社の経営が安定しているうちは問題ないかもしれませんが、経営は生き物です。何が起きるかわかりません。
何らかの事情で手元資金が少なくなり、その時になって融資を申し込んでも思うように融資が受けられないかもしれません。最悪、融資を断られることもあります。
「無借金経営」といえば聞こえは良いですが、裏を返せば「どの銀行とも信頼関係を持っていない」ということですから、銀行が融資に慎重になるのも仕方ありません。
要は、いきなり銀行からの信用を得ようと思っても、それは無理ですよという話です。
あなたの会社が、いざという時に融資が受けられなかったら…怖くありませんか?
デメリット②:資金繰り不安の恐怖に悩まされる
あり余るくらいの手元資金があれば問題ありませんが、無借金経営にこだわる会社はそれほど多くの手元資金を持っていないのが実情ではないでしょうか?
資金がショートすれば会社は倒産です。
普段は問題ないように思っていても、ちょっとした資金繰りのズレがあなたから精神的な余裕を奪っていきます。いわゆる「ストレス」というやつです。
資金繰りのストレスは半端ないです。だって、お金が無くなったら会社が潰れてしまうわけですから…。資金繰りに走り回って、もはや経営どころではありません。
あなたの会社がこのような事態に陥ったとしたら…ものすごいストレスだと思いませんか?
デメリット③:ビジネスチャンスに対応できない
ビジネスチャンスは、いつやってくるかわかりません。
もし、大口の仕事の依頼が入ったときに、その仕事を受注するのに必要なお金が手元に無かったら…せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうことになります。
そのときになって銀行に融資を申し込んでも…銀行は融資をしてくれるかどうかわかりません。融資を受けられるにしても審査に時間がかかることでしょう。
やはり、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれませんね…
あなたの会社にビジネスチャンスが舞い込んできたら…確実にチャンスをつかみとれますか?
デメリット④:会社の成長スピードが鈍くなる
会社を成長させるためには、やはりお金が必要です。そのために、会社は銀行からお金を借ります。
借りたお金は、事業に投資してお金を稼ぎます。手元にお金があれば、ビジネスチャンスも逃しません。そして、また銀行からお金を借りて事業に投資していきます。これを繰り返しながら会社を成長させます。
でも、無借金経営にこだわるということは、銀行からお金を借りないということですから手元資金に余裕はありません。もちろん、しっかりと事業に投資することができませんので会社の成長スピードが鈍くなります。
もし、あなたが会社を順調に成長させたいと考えているなら…このデメリットって大問題ではありませんか?
デメリット⑤:倒産リスクが高まる
上場会社でない限り、会社の主な資金調達の手段は「銀行融資」になります。
無借金経営にこだわるということは、その「銀行融資」という資金調達手段を放棄するということですから、思わぬ事態が起こったときには倒産リスクが一気に高まります。
会社は「借金がある」から倒産するのではありません。「お金が無くなる」から倒産するのです。
いくら売上が下がっても、いくら借金があっても、いくら赤字になっても、お金があれば倒産しません。逆に、売上がドンドン伸びて儲かっていても、お金が無くなれば倒産します。
あなたの会社を倒産から守りたいなら…「銀行融資」という唯一と言っても過言ではない資金調達手段を確保しておくべきではないでしょうか?
目指すべきは「実質無借金経営」
これまで無借金経営のデメリットについて書いてきましたが、そのデメリットを一気に解消する方法があります。
その方法とは…
銀行から融資を受ければ良いのです。もっと言うと、銀行から融資を受けて「実質無借金経営」を目指せば良いのです。
「実質無借金経営」とは、銀行借入金以上の現金預金を持っていて、借入金を返そうと思えばいつでも返せる経営状態をいいます。
お金に困っていない「いま」、銀行に融資を申し込みます。いきなり大きくは融資してくれないかもしれません。でも、お金に困っていませんから問題ありません。
そして、融資を受けたお金は使わないでください。借金は増えますが、同額のお金も増えています。返そうと思えば返せるわけですから気持ちも楽ですよね。
銀行との信頼関係ができてきたら借入れを増やしていきましょう。できれば複数の銀行から融資を受けましょう。
ここまでくれば、どうなっているでしょうか?
- 融資実績がしっかりあるので、いざという時にも融資が受けやすい
- 手元資金が潤沢にあるので、資金繰りに悩むことがない
- 資金繰りを理由に、ビジネスチャンスを逃さない
- しっかり事業に投資できるので、会社がドンドン成長する
- 手元資金を確保することで、倒産リスクを減らすことができる
無借金経営でのデメリットが全て解消されています。
利息は、安心を買うための単なる「保険料」と考えれば安いものです。
まとめ
無借金経営にこだわりすぎると会社を危険にさらしますよという話でした。
もう一度、無借金経営の危険なデメリットをおさらいしておきましょう。
- デメリット①:いざという時に融資が受けにくい
- デメリット②:資金繰り不安の恐怖に悩まされる
- デメリット③:ビジネスチャンスに対応できない
- デメリット④:会社の成長スピードが鈍くなる
- デメリット⑤:倒産リスクが高まる
あなたの会社が目指すべきは「無借金経営」ではなく、「実質無借金経営」です。
銀行融資と正しく向き合えば、このようなデメリットを一気に解消できます。ぜひ実質無借金経営を目指してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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