経営管理

利益目標の設定の仕方【数字に強い会社が実践してること】

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2024.01.12

利益目標の設定の仕方に悩んでいる人
「利益目標って、どうやって設定すれば良いのかなぁ…?。赤字はダメとして、どれくらいにすれば良いのか…。儲かってる会社はどうしてるんだろう?利益目標の設定の仕方を教えてください。」

このようなお悩みに答えます。

本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、利益目標の設定の仕方がわかり、「経営に対する意識」が大きく変わります。

こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。

私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。

税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。

その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。

経営を数字という言葉で語れるようになること

そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。

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そもそも利益目標が間違ってる⁉

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あなたの会社に求められている「必要な利益」を知ってますか?

会社には、求められている必要な利益があります。

これは、「これくらい利益があればいいな」という願望の利益ではなく、「絶対にこの利益を出さなければならない」という義務の利益のことです。

つまり、必要な利益を出さなければ、会社の存続が難しくなるというレベルの話です。

例えば、会社に求められている必要な利益が100として、それを知らずに「当期は税金を抑えたいから節税をして40くらいの利益にしておこう」みたいなことをするとどうなるでしょう?

利益が全然足りません…。はっきり言って「やばい…」と思います。

このケースは、会社に求められている必要な利益を知らないために、そもそも利益目標が間違っているというものです。

それでは、会社に求められている必要な利益とは、どういったものでしょうか?

続きを見ていきましょう。

利益目標の設定の仕方

ノートとペンを持った女性の画像

利益目標には下記の2つがあり、この2つを比べて大きいほうの金額が、あなたの会社の利益目標になります。

  • 利益目標①:銀行借入金の約定返済額ベース
  • 利益目標②:社員1人当たりの経常利益ベース
  • 利益目標の設定:①と②の大きいほうの金額

利益目標①:銀行借入金の約定返済額ベース

銀行からお金を借りると、毎月の返済額が決められます。これを「約定返済」といいます。

この約定返済ができる利益を出さないと、手元資金はどんどん無くなっていきます。手元資金が無くなってくると融資が受けにくくなってきます。融資が受けられないと、経営に余裕が無くなり利益が出にくくなってきます。まさに「負のスパイラル」です…。

つまり、「銀行借入金の約定返済額をベースに計算した利益」が、会社に求められている必要な利益ということです。

でも、約定返済額と同じ金額の利益があれば良いというわけではありません。税金のことも考える必要があります。

このように計算します。

(年間約定返済額 – 減価償却費)÷( 1 – 0.4 )

(減価償却費は、お金が出ていきませんので計算から除外します。法人税等の税金をざっくり40%として計算しています。)

例えば、年間約定返済額を100、減価償却見込額を10とした場合、必要な利益は(100-10)÷(1-0.4)=150となります。

検算してみましょう。

利益目標が150であれば、税金が40%かかると税引後の利益は150×(1-0.4)=90となり、このうち減価償却費はお金が出ていきませんので足し戻すと90+10=100となります。

この計算結果から、利益目標を150にすれば、年間約定返済100ができるということがわかります。

これは「最小限の利益目標」であり、会社に求められている義務としての必要な利益です。儲けた利益が税金と銀行借入金の返済に消えて、手元資金が増えないし減らない最小限の利益です。

この最小限の利益は、あなたは絶対に知っておく必要があります。

利益目標②:社員1人当たりの経常利益ベース

「役員も入れた社員1人当たりの経常利益は、どれくらいあれば会社として正常なのだろう?」

この考え方をもとに利益目標を考えます。

一般的に、「社員1人当たり100万円の経常利益」があれば優秀とされています。

例えば、社員10人の会社の利益目標は100万円×10人=1,000万円、社員100人の会社の利益目標は100万円×100人=1憶円となります。

ボロ儲けという感じではないでしょうが、少しハードルの高い、なかなか良い感じの利益ではないでしょうか?

もちろん、業種やビジネスモデルの特性から「社員1人当たり100万円の経常利益なんて絶対に無理!」という会社もあるかと思います。

その場合は、「社員1人当たり100万円の経常利益」はひとつの目安として、実績や実力をもとに自社としての利益目標を設定してみてください。

それが、あなたの会社の正常な利益目標となります。

利益目標の設定:①と②の大きいほうの金額

最後に「銀行借入金の約定返済額ベース」の利益目標と「社員1人当たりの経常利益ベース」の利益目標を比べて大きいほうの金額が、あなたの会社の利益目標となります。

  • 「銀行借入金の約定返済額ベース」の利益目標
  • 「社員1人当たりの経常利益ベース」の利益目標
  • 上記の大きいほうの金額=あなたの会社の利益目標

これが、利益目標の設定の仕方です。

一度これを参考にして、あなたの会社の利益目標を設定してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

利益目標の設定の仕方について書いてきました。

この記事で書いているのは、夢物語の利益目標ではありません。非常に現実的な「会社に求められている最小限の必要利益」です。

まずは、利益目標を達成することだけに集中してください。この利益目標を達成しなければ、会社が危険な状態に近づくわけですから。

節税なんて考えてる場合ではありません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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