経営管理
社長必見!利益を上げる8つの方法【限界利益と固定費のバランスで決まる】
利益が上がらなくて悩んでいる社長
「会社を経営しているが思うように利益が上がらない…。このままでは借金も返せないし、いつ赤字になってもおかしくない…。利益を上げるために何をすれば良いのか、その考え方や方法を教えてください。」
こういったお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、「利益が上がる仕組み」が理解でき、経営に対する姿勢や取り組みがガラリと変わるはずです。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
もし、あなたが「本気で会社を強くしたい!」とお考えなら…お気軽に無料相談をご利用ください。
きっと、あなたのお悩みを解決するためのヒントが手に入ります。
なぜ利益が上がらないのか?
利益は、会社を維持・成長させていくためになくてはならないものです。その利益がなかなか上がらないというのは、社長にとって非常に悩ましい問題ですよね。
「これだけ必死に頑張っているのに、どうして利益が上がらない…?」と感じているなら…残念ながら、そのやり方は間違っているということに気付きましょう。
- とにかく売上を上げろ!と売上高をひたすら追い求める
- できるだけ経費を使わないよう盲目的に経費削減に努める
これらは、思うように利益が上がらない会社の典型的な行動パターンです。
「売上を上げろ!」という抽象的な指示では、売上が上がれば全て良しという風潮が社内に生まれ、結果として利益を意識しない経営になりがちです。(いわゆる「売上至上主義」というやつ。)
また、経費は会社にとってのエネルギーです。無駄な経費は徹底的に削減する必要はありますが、必要な経費まで削減してしまうと…会社はエネルギー切れを起こして、やがて売上自体が下がっていきます。
利益を上げるためには、
まず、社長が「利益が上がる仕組み」を理解すること
そのうえで、「利益を上げるための策」を講じること
そして、その策を「社員に具体的に指示」をすること
が必要なのです。
利益を上げる8つの方法
ここからが本題です。
「利益が上がる仕組み」を展開すると、下図のようになります。
ご覧のとおり、利益を上げるためにできることは、大きく分けて8つしかないことがわかります。これは、どんな業種であっても、どんな会社規模であっても同じです。この8つしかありません。
つまり、この「利益が上がる仕組み」を理解し、あなたの会社が取り組むべき策を見極めて行動することができれば、必ず利益を上げることができます。
それでは、利益を上げる8つの方法を順に確認していきましょう。
- ① 販売単価を上げる
- ② 新規顧客を開拓する(販売数量を増やす)
- ③ リピート率を上げる(販売数量を増やす)
- ④ 変動費を下げる
- ⑤ 人件費をコントロールする
- ⑥ 無駄な経費を削減する
- ⑦ 金利を下げる
- ⑧ 未来の利益のためにお金を使う
① 販売単価を上げる
多くの会社が追い求める「売上高」とは何でしょうか?
売上高の計算式は、下記の通り。
売上高 = 販売単価 × 販売数量 × リピート率
「売上高を上げる」といっても、
・販売単価を上げるのか?
・販売数量を増やすのか?
・それとも、リピート率を上げるのか?
によって、その施策も結果も全く違ってきます。
この中でも、「販売単価を上げる」は、値上げをした分がそのまま利益増加に繋がるので、利益改善効果が一番高くなります。
「値決めは経営」と言われるように、販売単価をどのように設定するかで会社の利益が決まるといっても過言ではありません。それほど値決めは会社を経営するうえで重要なのです。
値引きをするな!とは言いません。値引きも大事な交渉材料のひとつですから。
でも、もし売上高を追い求めるあまり安易に値引きをしてしまっていたとしたら…販売単価を適正に戻せば、相応の利益改善が期待できます。
② 新規顧客を開拓する(販売数量を増やす)
売上高 = 販売単価 × 販売数量 × リピート率
一般的に「売上高を上げる」というと新規顧客の開拓をイメージされると思います。
会社を大きくしていくためには、新規顧客の開拓は必要です。どんどん新規客を増やして販売数量を増やしていく…まさに営業の王道といえます。
しかし、新規顧客の開拓は、いきなり成果が出るほど簡単ではありません。積極的、かつ、継続的に新規顧客の開拓に取り組んでいきましょう。
③ リピート率を上げる(販売数量を増やす)
売上高 = 販売単価 × 販売数量 × リピート率
リピート客になってもらうことは、一度はあなたの会社の商品やサービスを買ってくれたわけですから、新規顧客の開拓に比べると取り組みやすいと思います。
いくら新規顧客を開拓しても「売って終わり」では、新規顧客を開拓し続けなければ会社を維持できません。また、そのような商売をしている限り、会社に明るい未来はやってこないでしょう。
「顧客満足度を高めて、新規客からリピート客になってもらうこと」
このリピート率を上げるために会社として何をすべきか…?会社として、いまいちど真剣に考えてみましょう。
④ 変動費を下げる
変動費とは、「販売数量に比例して生じる費用」をいいます。
(例えば、仕入原価や外注加工費、販売手数料など)
この変動費を下げることができれば、その分利益が生まれます。
ここでポイントとなるのが、商品やサービスの質を落とさない値下げ交渉をすることです。いくら価格を下げることができても、品質が悪化してしまっては意味がありません。
ただし、質を落とさない値下げ交渉は、相手方にとっては利益が減る行為です。自社の利益だけを求めるのではなく、相手方の立場やメリットも考慮しつつ慎重に交渉を進めていきましょう。
⑤ 人件費をコントロールする
人件費は、会社の経費のなかでも金額が大きく、あなたの会社も例外ではないと思います。
この人件費を適切にコントロールできるかどうかで、あなたの会社の損益構造が決まるといっても過言ではありません。
とはいっても、人件費を利益の「調整弁」にしてはいけません。会社の状況にもよりますが、余程のことでない限り、安易に給与カットや人員整理をするべきではありません。
人件費は、削減するのではなくコントロールするのがポイントです。
パートでもできる仕事を社員がやっていては非効率です。社員がやるべき仕事を見極めて、それ以外の仕事はパートや高齢者を積極的に活用することで分業化を図り、生産性を上げることができないか考えてみましょう。
⑥ 無駄な経費を削減する
「無駄な経費」は、本当に無駄でしかありません。
無駄な経費を削減すれば、その分利益が増えます。あまり大きな金額にはならないかもしれませんが、無駄なものにお金を垂れ流しつづける必要性は全くありません。徹底的に削減しましょう。
しかし、経費削減に勤しむあまり、必要な経費まで削減してしまわないように注意しましょう。先ほども書きましたが、経費は会社にとってのエネルギーみたいなもの。そのエネルギーが少なくなると、逆に会社が弱ってしまいます…。
⑦ 金利を下げる
金利が高ければ、それだけ利益が圧迫されます。
しかし、金利は銀行にとっては利益の源です。金利の引き下げをお願いしても簡単に応じてくれるものではありません。
金利を下げるためには、会社の業績を良くするのは当然として、こちらから定期的に銀行訪問をして業績報告をしつつ、融資担当者とコミュニケーションを取っておくのがベターです。
そして、新規借入れ時や借換え時に金利交渉ができるように日頃から金利引き下げを意識した行動が重要になってきます。
また、日本政策金融公庫の融資制度にも低金利の商品が用意されていますので、要件を満たすなら使わない手はありません。こういった情報にも、常にアンテナを張っておきましょう。
⑧ 未来の利益のためにお金を使う
未来の利益のためには「投資」が必要です。
具体的には、広告宣伝・販売促進・教育研修・研究開発などが挙げられます。
短期的な利益目線では、どうしても「経費削減」という話になりがちですが、中長期的な利益目線では、「未来の利益のための投資」という発想が必要不可欠です。
費用対効果の検証はしっかり行う必要はありますが、これらの投資には予算を取って戦略的、かつ、積極的にお金をかけたいところです。
また、未来の利益のために使ったお金は、(費用が増えた分利益が減るので)その一部を税金で取り返すことができます。ヘタな節税をするより、健全で賢いお金の使い方だと思いませんか。
まとめ
「利益を上げる8つの方法」について書いてきました。
利益を上げる8つの方法
- ① 販売単価を上げる
- ② 新規顧客を開拓する(販売数量を増やす)
- ③ リピート率を上げる(販売数量を増やす)
- ④ 変動費を下げる
- ⑤ 人件費をコントロールする
- ⑥ 無駄な経費を削減する
- ⑦ 金利を下げる
- ⑧ 未来の利益のためにお金を使う
上記のうち、①~④が「限界利益を上げる方法」で、⑤~⑧が「固定費をコントロールする方法」となっています。
利益は、限界利益と固定費とのバランスで決まります。
「限界利益を最大化させるために何をすべきか?」
そして、「目標とする利益を出すために、いかにして固定費をコントロールするか?」
この「限界利益の最大化」と「固定費のコントロール」の両面から考えることがとても重要です。
「利益を上げるために、あなたの会社がやるべきことは何なのか…?」
あれもこれも同時にできませんし、する必要もありません。まずは1つか2つで結構ですから、あなたの会社が取り組むべき策を見極めてください。
そして、その策を社員に対して具体的に指示をして、全社一丸となって行動に移してください。
そうすれば、必ず利益を上げることができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
もし、あなたが、
「経営相談ができる税理士」をお探しなら…
または「顧問税理士の変更」をお考えなら…
まずは無料相談を利用してみませんか?
税理士があなたの会社を直接担当いたします。