経営管理
税理士変更に失敗しないための5つの注意点【税理士選びの裏話】
顧問税理士に不満を持っている社長
「顧問税理士に不満があって、本気で税理士の変更を考えている。でも、税理士を変えると税務署に目を付けられるのだろうか…?また、税理士を変える場合、どんな基準で選べばいいのだろうか…?税理士変更に失敗しないための注意点があれば教えて欲しい。」
こういったお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、税理士変更に失敗しないための税理士選びのポイントがわかり、あなたの会社が求める税理士を見つけるためのヒントを得ることができます。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
顧問税理士に対する不満10選
私どもの事務所では、税理士変更についてのご相談をお受けすることも多いのですが、そのなかで顧問税理士に対する不満をお聞きしていると、だいたい次の10点に集約されます。
① 報酬が高い
② 訪問がない
③ 経営や資金繰り、節税等のアドバイスがない
④ 仕事が遅い
⑤ 質問しても返答が遅い
⑥ 税理士と連絡がつかない
⑦ 担当は無資格者で、税理士に会ったことがない
⑧ 頼りない(特に税務調査)
⑨ 態度が威圧的
⑩ ITに詳しくない
これらの不満の原因としては、料金とサービス品質との期待ギャップ、コミュニケーション不足によるボタンの掛け違いや不信感、その税理士個人の人間性や相性の不一致などが挙げられます。
あなたの場合は、いかがでしょうか。
税理士の仕事ぶりには満足していて、不満といっても目をつむれる程度のものであるならば大した問題ではありませんが、不満が高まって仕事に支障が出ているなら…
税理士の変更を真剣に考えてもよいかと思います。
税理士を変えれば税務調査がある⁉
このようなことを聞いたことはありませんか?
「税理士を変えれば税務調査に入られる…」
これを気にして税理士変更に踏み切れない方がいらっしゃいますが、そのようなことはありませんのでご安心ください。
私どものところには、税理士変更でお客様になっていただいた会社もありますが、それを理由に税務調査になったことは一度もありません。関与してから数年後に税務調査があったことはありますが、それは税理士変更が理由ではなく、単なる定期的な税務調査でした。
つまり、税務署もそこまで暇ではないということです。
(もちろん、税理士をコロコロと頻繁に変えて、会計数値に妙な動きが見受けられれば税務調査があるかもしれませんが、本記事のテーマとは別の話となりますので割愛します)
税理士変更に失敗しないための5つの注意点
いま、あなたは顧問税理士に不満を持っていて、税理士変更を真剣に考えていることと思います。
でも、感情と勢いだけで税理士を変えてしまうのは非常に危険です。税理士との関係は「信頼」で成り立っているので、税理士は気軽にコロコロと変えるものではありません。だからこそ、税理士の変更はしっかりと検討したうえで慎重に進めていく必要があります。
私は、これまでに税理士変更を真剣に考えている社長の悩みをたくさん聞いてきました。その結果、私どものお客様になっていただいたこともありますし、その方が求める税理士を見つけるためのアドバイスもしてきました。
そうした経験のなかで、税理士変更に失敗しないための注意点のようなものがありますので、ここでご紹介します。
- 注意点①:税理士に求めるサービスを整理する
- 注意点②:料金だけで選ばない
- 注意点③:面談の希望頻度を決める
- 注意点④:複数の税理士に実際に会ってみる
- 注意点⑤:契約した場合の担当予定者を確認する
注意点①:税理士に求めるサービスを整理する
まずは、税理士にどんなことをして欲しいのか、あなたが税理士に求めるサービスを整理する必要があります。
顧問税理士に対する不満はたくさん語れるけれど、私が「具体的に何をして欲しいのか?」と尋ねると、あいまいな返答しかできない社長がいます。
例えば、「資金繰りの相談に乗ってくれない」という不満だけでは、どうして欲しいのかがわかりません。
- 単に「資金繰りシミュレーション」をして欲しいのか
- 「銀行融資のサポート」をして欲しいのか
- さらに、銀行訪問にも同行して欲しいのか
- 資金繰りを改善するための「アドバイス」をして欲しいのか
- 資金繰り改善の「コンサルティング」をして欲しいのか 等々
「資金繰り相談」といっても、具体例として軽く思い付くだけでもこれくらい挙げられます。
税理士変更に失敗しないためには、税理士に求めるサービスを整理しておくことは本当に大事です。
「不満の列挙」だけでなく、新しい税理士にして欲しいことをできるだけ具体的に書き出してみましょう。実際に書き出してみると、あなたが求める税理士像が見えてくるものです。
注意点②:料金だけで選ばない
「安かろう悪かろう…」
よく聞く言葉ですが、料金が安いことには必ず理由があります。これは、税理士に限らず、どの業界も同様です。
税理士はモノを売るビジネスではないのでわかりにくいですが、基本的に料金は「人件費」と「時間」で決まります。
例えば、料金が他の一般的な税理士事務所と比べて安い場合、下記のようなことをしてコストを抑えています。
- 担当には、人件費の安いスタッフをつける
- 記帳や決算、年末調整等のルーティンワークを中心としたサービスに徹する
- とにかく仕事に余計な時間をかけない 等々
もちろん、これらが悪いということではなく、できるだけ安い料金で必要最低限のサービスを求めている人にとっては全然アリだと思います。
でも、顧問税理士に対する不満が「何も教えてくれない…」、「何も提案してくれない…」ということなら、安い料金には理由があるということを理解しておきましょう。
やはり、質の良いサービスを受けるためには、その対価として「適正料金」が必要だということです。
(料金は高いのに、何もしてくれないというのは論外です。いますぐ税理士を変えましょう。)
注意点③:面談の希望頻度を決める
面談の頻度によってサービス品質や料金が変わってきますので、これは結構重要です。
一般的に面談回数が多いと(例えば、毎月)、経営管理や資金繰りの相談、融資サポート等のコンサルティング要素が強まってきます。税理士にこれらの経営サポートまでを期待される社長であれば、面談頻度は毎月がおススメです。
そのぶん料金も高くなりますが、サービス内容に満足できるなら、そういった能力のある人材を雇うことを思えば費用対効果は抜群です。
一方で、面談の頻度を落としていくと、そのぶん料金を低く抑えることができますが、どうしてもサービス品質は下がります。やはり、コンサルティング要素の高い業務は、適切なコミュニケーションが図れないとできません。
あなたは、税理士にどんなことを期待しますか?
面談の頻度は、サービス品質と料金に密にかかわってきますので、あなたが税理士に求めるものを整理したうえで面談の希望頻度を決めましょう。
注意点④:複数の税理士に実際に会ってみる
これは、私どもが税理士変更についてのご相談をお受けする度に申し上げていることですが…
「必ず複数の税理士に実際に会ってから、新しい税理士を決めるようにしましょう!」
いくら大手の税理士事務所であっても、
いくら評判の良い税理士事務所であっても、
いくらホームページで素晴らしいことを謳っている税理士事務所であっても、
実際に会ってみないとあなたとの相性の良し悪しはわかりません。
また、複数の税理士に会ってみることで比較検討することができ、あなたが求める税理士像が、より鮮明に、より具体的になってくるはずです。少なくとも3人以上の税理士に会って話を聞いてみることをおススメします。
税理士選びは、「結婚相手を探すようなもの」と言われることがあります。お見合い写真だけを見て結婚を決める人は誰もいないでしょう。
実際に複数の税理士に会ってみて、いろんな疑問や質問をぶつけてみてください。その中で、「この人だ!」と思える税理士に出会えたなら…それは運命の出会いなのかもしれません。
注意点⑤:契約した場合の担当予定者を確認する
実際に会って話を聞いた税理士が、あなたの会社の担当になるとは限りません。
その税理士のことを気に入って契約したのに、担当になったのは別の人。
その担当者とは全く相性が合わず、「こんなはずじゃなかった…」というのはよく聞く話です。
こんなことにならないように、契約した場合の担当予定者を事前に確認しておきましょう。できれば、面接時に担当予定者にも同席してもらって、その人とも話をしてみることをおススメします。
いくら後ろには税理士がついているとはいえ、あなたとの接触頻度が最も高いのは担当者です。担当者との相性が悪ければ、仕事の信頼関係にも影響してきます。
見落としがちですが、契約した場合の担当予定者は必ず確認するようにしましょう。これも結構重要です。
まとめ
「税理士変更に失敗しないための5つの注意点」について書いてきました。
税理士変更に失敗しないための5つの注意点
- 注意点①:税理士に求めるサービスを整理する
- 注意点②:料金だけで選ばない
- 注意点③:面談の希望頻度を決める
- 注意点④:複数の税理士に実際に会ってみる
- 注意点⑤:契約した場合の担当予定者を確認する
この5つの注意点は、私どもが実際に税理士変更についてのご相談をお受けしてきたなかで培ってきたものをまとめたもので、これらを参考にしてもらえれば、税理士変更に失敗するリスクを抑えることができると思います。
顧問税理士に対して我慢ならない不満があるのなら、税理士を変えるべきでしょう。一方で、顧問税理士は気軽にコロコロと変えるものでもありません。
もし、あなたが税理士変更について真剣に悩んでいるのなら…
いつでも相談に乗らせていただきます。お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ、下記の当事務所サービスページもご確認いただけると嬉しいです。