経営管理
税理士が教える貸借対照表2つの超重要ポイント【貸借対照表が苦手な社長必見!】
貸借対照表の見方がよくわからない社長
「貸借対照表の見方がわからない…。顧問税理士に聞いても、専門用語が多すぎてわかりにくいし…。社長として、ここだけは押さえておいた方が良い貸借対照表の超重要ポイントみたいなものがあれば、簡単に教えてほしい。」
こういったお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、貸借対照表の超重要ポイントがわかり、貸借対照表の苦手意識を克服するためのキッカケを得ることができます。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
もし、あなたが「本気で会社を強くしたい!」とお考えなら…お気軽に無料相談をご利用ください。
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貸借対照表はとても重要
誰もが馴染みやすい損益計算書は、売上高や経費、利益といった関心度の高い内容が載っているので、自主的に目を通している社長も多いかと思います。
一方で、貸借対照表は、資産や負債が載っているくらいはわかっても、何をどう見れば良いのかわからず、結果として「貸借対照表は見ていない…」という社長が非常に多いように感じます。
しかし、貸借対照表は会社を経営するうえでとても重要です。銀行も損益計算書以上に貸借対照表を重要視しています。それなのに、社長が「貸借対照表の見方がわからない…」では話になりません。
できれば、顧問税理士からレクチャーを受けて、貸借対照表の見方を学んでほしいところですが、それが難しいようでしたら…
「まずは、次の2つのポイントだけでも押さえてください」
きっと、貸借対照表に対する意識が変わると思います。
税理士が教える貸借対照表2つの超重要ポイント
貸借対照表の見方として、「◯◯比率」とか「◯◯分析」といった分析手法が多々ありますが、本記事ではこうした難しい内容はいっさい割愛します。
貸借対照表を見るうえで大事なのは、
「倒産リスクが高くないか?」、そして、
「銀行が融資してくれるか?」ということです。
そこで、私どもからお伝えする「社長に必ず見てほしい貸借対照表の超重要ポイント」は、ズバリ次の2点です。
- その①:現金預金の残高
- その②:純資産の金額
それでは、順番に確認していきましょう。
その①:現金預金の残高
現金預金の残高は、貸借対照表の左側の一番上に記載されており、最も目立つ場所にあって、誰もが真っ先に確認する項目です。
したがって、貸借対照表では、まず現金預金の残高を確認しましょう。
現金預金の残高に余裕があればあるほど、会社は倒産しにくくなります。
会社が倒産するのは…ズバリ「会社からお金が無くなるから」です。
「赤字経営」や「大きな借金の存在」等、会社が倒産する原因はいろいろありますが、最終的には会社からお金が無くなった…だから、会社は倒産するのです。
逆にいうと、どんなに赤字を出しても、どんなに桁違いの大きな借金があっても、お金があれば会社は絶対に倒産しません。
また、現金預金の残高に余裕がある会社は、銀行から融資を受けやすくなります。
銀行は「お金に困っている会社」には融資しません(融資できません)。銀行は「貸したお金をしっかり返済してくれる会社」に融資します。なぜなら、回収不能リスクが高い会社に融資をして、その後倒産等により回収できなくなったとき、銀行は株主や金融庁に責められることになるからです。
逆に、現金預金の残高に余裕がある会社であれば「回収不能リスクは低い」と判断され、銀行から融資を受けやすくなるのです。
このように、現金預金の残高は、貸借対照表を見るうえで重要であることがおわかりいただけるかと思います。
参考:現金預金の残高の目安
【月平均固定費の6ヶ月分以上】
少なくともこれくらいあれば、現金預金の残高が少な過ぎると思われることはないかと思います。
もし、現状の現金預金の残高がこれに満たない場合は、銀行から借りてでも一定の現金預金の残高を確保するようにしましょう。
その②:純資産の金額
純資産の金額は、貸借対照表の右側の一番下に記載されており、これもやはり、誰もが必ず確認する項目です。
したがって、貸借対照表では、現金預金の残高を確認するのと同時に純資産の金額も確認しましょう。
純資産の金額が大きければ大きいほど、会社には体力があることを表し、銀行から融資を受けやすくなります。
純資産の金額とは、貸借対照表の資産と負債の差額であり、その内容は、主に「資本金」と「これまでに獲得した利益の蓄積」です。
つまり、純資産の金額が大きいということは、これまで着実に儲けて会社を成長させてきた証であり、多少の赤字を出してもビクともしない体力を有していることを意味します。
純資産の金額を増やすには、基本的に法人税等の税金を負担したあとの「税引後当期純利益」をコツコツと積み上げていくしかありません。純資産の金額が大きい会社をつくるのは「一朝一夕」でできることではなく、銀行はこういった会社にはぜひ融資したいと考えます。
逆に、貸借対照表の資産より負債の方が多いことを「債務超過」といい、この場合、純資産の金額はマイナスで表記され、会社として非常にまずい経営状態であることを意味します。
つまり、資産のすべてを現金化しても負債を返済しきれないわけですから、銀行としては「回収不能リスクが非常に高い」と判断します。債務超過の状態が続くようであれば、銀行からまともに融資を受けることは難しく、倒産リスクが一気に高まります。
このように、純資産の金額は、貸借対照表を見るうえで現金預金の残高と同様に重要であることがおわかりいただけるかと思います。
参考:純資産の金額の目安
【平均月商の3ヶ月分以上】
「平均月商の3ヶ月分以上(年間売上高の25%以上)」ということは、売上高の▲25%の赤字を出しても債務超過にならない計算ですが、1年間でこれだけの赤字を計上することは稀でしょうから、例えば、年▲5%の赤字であれば5年は耐えられるという水準です。
業種・業態によって一概には言えませんが、少なくともこれくらいあれば、純資産の金額が少な過ぎると思われることはないかと思います。
貸借対照表の苦手意識を克服するために
繰り返しになりますが、貸借対照表は損益計算書以上に大事です。
損益計算書は1年毎に数値がリセットされますが、貸借対照表は「会社を興してから現在までの履歴」が数値に反映されています。
なので、貸借対照表の見方がわからないという社長は、過去10期分、少なくとも過去5期分の決算書から「現金預金の残高」と「純資産の金額」の2つだけを書き出してみてください。
- 「現金預金の残高は増えているか?」または「一定の目安の残高を確保できているか?」
- 「純資産の金額は着実に増えているか?」など
これらの数値の推移を眺めていると、社長として何となく見えてくるものがあるかと思います。
貸借対照表の苦手意識を克服するために大事なことは、貸借対照表の数値の中に関心を持てる項目を見つけること、そして、その数値を毎月チェックして改善方法を考えることです。
いきなり色んな貸借対照表の見方を勉強するのではなく、まずはここから始めてみませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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