経理効率化
記帳代行の4つのデメリット【記帳代行が会社をダメにする⁉】
記帳代行に疑問をもっている人
「税理士に記帳代行を依頼してるけど、このままで良いのかなぁ…?ズバリ、記帳代行のデメリットを教えてください。」
こういったお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、記帳代行がもたらす悪影響がわかり、会社のこれからを考え直すキッカケになるはずです。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
なぜ記帳代行を依頼するの?
記帳代行を依頼する理由って、こんな感じではないでしょうか?
- 仕訳・帳簿のつけ方がわからない
- とにかく仕事に集中したい
- でも、定期的に業績を知りたい
- 税金の申告のために記帳しないといけない
- 経理スタッフを雇う余裕がない など
創業して間もない会社や比較的規模の小さい会社が記帳代行を利用しているケースが多いことから、「会社を作れば、まずは記帳代行が当たり前」といった風潮があるように思います。
でも、記帳代行にはデメリットがあります。
当たり前のように記帳代行を依頼してるが、実はこんなデメリットがあったなんて…という気付きのキッカケになればという想いで書いています。
それでは見ていきましょう。
記帳代行の4つのデメリット
記帳代行のデメリットは、以下のとおり。
- デメリット①:タイムリーに業績がわからない
- デメリット②:それほど手間が減らない
- デメリット③:記帳代行の費用がかかる
- デメリット④:数字を読む能力が身に付かない
デメリット①:タイムリーに業績がわからない
記帳代行ではタイムリーに業績がわかりません。
記帳代行に必要な資料を揃えて税理士にメールや郵送。この時点で、いくらか時間が経ってます。税理士がすぐに処理してくれれば良いですが、クライアントはあなただけではありません。もう少しお待ちください…
ということで、試算表を見るのに早くても1ヶ月後、遅い場合は2~3ヶ月後になったりします。
経営は生き物です。どんどん状況が変わっていきます。それなのに、そんな古い情報を見て何の意味があるのでしょうか?
もはや、経営には何の役にも立ってません。
これは、かなり致命的なデメリットではないでしょうか…
デメリット②:それほど手間が減らない
記帳代行を依頼することで、帳簿をつけるための全ての作業が無くなるのであれば嬉しいですけど、実際にはそれほど手間が減りません。
記帳代行をするには、そのための資料を整理して税理士に渡す必要があります。
例えば、こんな感じ。
- 現金出納帳をつける(現金を扱ってる場合)
- 取引内容がわかるように通帳に入出金のメモを書く
- 上記に代えて、Excelに入出金データを入力する
- 売上高や仕入高を集計する
- 経費の領収書や請求書を整理する など
けっこうな手間ですね…
手間を減らすために記帳代行を依頼していたのなら…考え直した方が良いと思いますよ。
デメリット③:記帳代行の費用がかかる
当たり前ですが、記帳代行を依頼すれば費用がかかります。
本当の意味で「費用対効果」が高ければ良いのですが、実際のところは「タイムリーに業績がわからない」、「それほど手間が減らない」ということから、何のための費用なのかが疑問です。
パソコンがなかった時代なら記帳代行に費用をかける価値もありましたが、会計ソフトが当たり前になっている現在では、もはや「税金を申告するためだけの作業料」といっても過言ではないと思います。
会社の成長に全く貢献しない「単なる作業料」にお金を払い続けるのって…どう思いますか?
デメリット④:数字を読む能力が身に付かない
記帳代行では、社長としての「数字を読む能力」は絶対に身に付きません。
そもそも1ヶ月以上前の試算表を見たところで何の役にも立たないことは、社長が一番わかっています。
だから、本気で数字を見ようとしない。数字を見ようとしないから、数字の見方がわからない。数字の見方がわからないから、自分の感覚だけを信じる。結果、いつまで経っても「数字を読む能力」が身に付かない。
これが、記帳代行の「最悪」のデメリットです。
「数字を読む能力」がなければ、損をしていても気付きません。危険シグナルが出ていても気付きません。そして、気付いたときには、もう手遅れです…
それでも記帳代行を続けますか…?
脱・記帳代行のススメ
記帳代行のデメリットを見て、どのように感じられましたか?
もし、「なるほど…」と感じたのなら、記帳代行をやめて自社で記帳することをお勧めします。それが会社としての本来の形ですから。
「簿記の知識もないし、いきなり自社で記帳するなんて無理!」
と思う人もいらっしゃるかと思います。
でも、安心してください。クラウド会計をうまく使いこなせば、すべて問題は解決します。
最初の設定を正しく行えば、あとはシステムが自動で記帳してくれます。記帳代行にお金を払うくらいなら、クラウド会計の設定サポートにお金を払う方がずっと健全的です。
「もう少し会社が大きくなってから…」なんて考えているようではダメです。
会社が大きくなるにつれて経理はどんどん複雑になっていき、クラウド会計を導入するための負担が大きくなっていきます。
逆に、会社の規模が小さいうちは、経理はとてもシンプルです。クラウド会計導入も簡単にできるので、タイミングは早いほうが負担も少なくて済みます。
だから、「記帳代行のままではダメだ…」と感じているなら、いまがそのタイミングですよ。
まとめ
記帳代行のデメリットを中心に書いてみました。
記帳代行の4つのデメリット
- デメリット①:タイムリーに業績がわからない
- デメリット②:それほど手間が減らない
- デメリット③:記帳代行の費用がかかる
- デメリット④:数字を読む能力が身に付かない
私は「記帳代行が会社をダメにしてるんじゃないのか?」と思うことがあります。
記帳代行で「継続して儲かっている会社」を私は見たことがありませんから、関係がないとは言えないと思います。
この記事が、あなたの会社の記帳のあり方を考え直すキッカケになってくれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ、下記の当事務所サービスページもご確認いただけると嬉しいです。