経理効率化
小口現金を廃止して効率化する方法【そのために会社がやるべきこと】
小口現金を廃止したい会社
「小口現金を廃止して効率化したい!でも、社員の反発がなかなか大きくて…。どうすれば小口現金を廃止できますか?良い方法を教えてください。」
このようなお悩みに答えます。
本記事のゴール
3分程で読み終わります。読み終えた後には、「小口現金を廃止して効率化する方法」がわかり、経理の効率化の第一歩を踏み出せます。
こんにちは。近藤税理士事務所の近藤です。
私は、税理士事務所・一般事業会社・企業再生コンサルティング会社勤務を経て独立した少し変わった経歴を持つ税理士です。
税理士業界から一度離れ、倒産危機に陥る会社をたくさん見てきたからこそ、「数字の重要性」を再認識することができました。
その貴重な経験のなかで得た「気付き」や「ノウハウ」をブログに綴って情報発信しています。
「経営を数字という言葉で語れるようになること」
そうすれば、あなたの会社は必ず変われます。
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小口現金を廃止して効率化する方法
経理の効率化を考える場合、小口現金は「邪魔」でしかありません。
例えば、営業マンの交通費の精算。
営業マンは、営業で使った電車代やタクシー代を小口現金の管理者に申請。小口現金の管理者は、営業マンに現金を支払うとともに小口現金出納帳に記帳、現金残高をチェック。
このように面倒で非効率なことが、当たり前のように毎日行われています。
他にも、切手の購入や宅配料金の支払い、事務用品や消耗品の購入など、小口現金を使うたびに同じことをしています。
いったい、小口現金があることでどれくらいの非効率な人件費がかかっているのでしょう…?
だから、小口現金を廃止して効率化を図ろうという話になるわけです。
Excelを活用した一括経費精算(銀行振込)の方法
ポイントは、下記のとおり。
- ポイント①:月1回にまとめて経費精算する
- ポイント②:Excelで経費精算集計表を作成する
- ポイント③:銀行振込で精算する
ポイント①:月1回にまとめて経費精算する
社員が立替えた経費を月1回にまとめて精算する形にします。
例えば、月末締め・翌月5日までに経費精算書を提出してもらうルールにします。
経費精算のタイミングは、月1回が原則です。経費精算の回数を増やすのは構いませんが、効率化を考えるなら回数は減らすべきです。
いきなり月1回の経費精算が不安なら、最初は2週間に1回から始めてください。しばらく様子を見てから月1回に変更してみましょう。
どこの会社もそうですが、最初は抵抗があっても、やってみると案外スムーズに移行できるものです。
ポイント②:Excelで経費精算集計表を作成する
経費精算集計表は、必ずExcelで作って書式を統一しましょう。
(社員ごとにバラバラの書式や手書きでされると効率化どころではありませんからね。)
経費精算をスムーズに行うコツは、経費精算集計表に「こまめに入力」してもらうことです。
例えば、月末締め・翌月5日提出期限の場合、月が変わってから1ヶ月分の経費を入力するのは大変です。提出期限に間に合わない社員が必ず出てきます。こまめに入力すれば大した時間はかかりません。溜めるから大変になるのです。
また、Excelをうまく活用すれば、スマホでも入力できるように設定したり、会計ソフトへの一括仕訳やデータ取り込みもできるようになります。
効率化のために、Excelをフル活用しましょう。
ポイント③:銀行振込で精算する
社員へのお金の精算は、銀行振込でします。
給与振込と同時にすれば振込みの手間を省けますが、別々に振込んでも構いません。会社にとって便利な方法を選んでください。
銀行振込で精算しますので、現金を触ることがありません。これが一番のメリットです。
現金があるから残高チェックをしないといけない…。不正や盗難リスクを考えて大金を置けない…。だから、ちょくちょく銀行に行ったり、つり銭を用意したりしないといけない…。
こういったことが、銀行振込にすることで一気に解消します。
経費精算ソフトを活用する方法
経費精算ソフトを活用すれば、さらに効率的に経費精算ができるようになります。
経費精算の入力は、スマホでレシートを写真で撮ればOK。もちろん手入力もできます。スマホで簡単に入力できるから、こまめに入力できます。
入力が終わったら締め処理をして、ボタンひとつで申請完了。
経理側では、申請内容を確認して間違いなければ振込データを自動作成。そのままインターネットバンキングで振込完了。
一度体験したら後戻りできないくらいの効率化が実現できます。
興味のある方は、ぜひ検討してみてください。
小口現金を廃止するために会社がやるべきこと
小口現金を廃止しようとするときに、必ず出てくる社員の不満があります。
「なぜ、会社の経費を社員が立替えないといけないのか?」
小口現金があれば、立替える必要がなかったわけですから。社員が不満に思う気持ち、わからなくはありません。
小口現金を廃止する目的は、経理の効率化です。要はルール、決め事の話です。
強引な進め方は良くありませんが、きちんと目的を共有できれば社員もわかってくれます。
そのために「会社がやるべきこと」が3つあります。
- その①:立替経費の内容を見直す
- その②:クレジットカードを利用する
- その③:社長がお金をあげる
その①:立替経費の内容を見直す
小口現金を廃止して、そのまま一括経費精算の方法にすると社員に無駄な負担を与えることがあります。
これまで小口現金で支払っていたものは、銀行振込や口座引落にできないのか?現金での支払いが最小になるように、まずは立替経費の内容を見直しましょう。
例えば、郵便物が多い会社であれば「料金後納郵便」にして、郵便代を口座引落にしましょう。そうすれば切手を買う必要がありませんし、同時に切手を貼る手間も省けます。
事務用品や消耗品もネットでまとめて注文して、口座引落にしましょう。
こうやって立替経費の内容を見直していくと、事務所内での立替経費ってほとんどなくなります。
その②:クレジットカードを利用する
接待費や出張交通費・宿泊費は、重なるとそれなりの立替金額になりがちです。
そこで、クレジットカードの登場です。
会社からクレジットカードを支給しても良いのですが、管理が面倒です…。社員が自分のクレジットカードを使って決済日までのタイムラグを利用すれば、立替経費の負担を少なくすることができます。
また、クレジットカードのポイントも貯まるでしょうから、社員にとってもメリットがあります。
その③:社長がお金をあげる
最終手段として、社長がポケットマネーでお金をあげるというのも手です。
以前クライアントでこんなことがありました。
社長が言いました。
「正社員は一括経費精算にするが、ある支店の事務が派遣社員で…。派遣社員には、少額でも経費の立替えをさせるべきではない。だから、その支店だけ小口現金を残す。」
私は聞きました。
「その派遣社員の立替経費って、どれくらいですか?」
社長は答えました。
「たぶん、月5千円くらいかなぁ…。」
私は提案しました。
「じゃあ、その5千円を社長が財布から出して派遣社員にあげてください。最初の1回だけ5千円をあげれば、派遣社員の立替えは実質的になくなります。それで小口現金を廃止できるなら安いものです。派遣社員も5千円貰えるなら喜んで協力してくれますよ。」
少しトリッキーな方法ですが、発想次第で問題を簡単に解決できるという話でした。
まとめ
小口現金を廃止して効率化する方法について書いてきました。
「現金に触れる」という行為が非効率な作業を生み出します。それなら、小口現金を廃止して、銀行振込による一括経費精算の方法にすれば問題は一気に解決します。
これまでのやり方を変える場合、必ず反対意見が出てきます。一見ややこしそうに感じても、話を聞いていくとほとんどは簡単に解決できることばかりです。
大変なのは最初だけですから。すぐに慣れます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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